心理学勉強記録

このブログは、心理学を学んでいる私が、日々のテキストを自分なりに解釈しながらアウトプットしていく記録です。 主に自分自身の復習用として作成していますが、心理学に興味のある方、これから学び始める方にとっても、何かしら参考になる部分があれば幸いです。

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

心理統計入門⑧ ― 確率を学ぶ意義:「P値」で“確からしさ”を考える

ここまでの話では、 データの大体(代表値)、ばらつき(散布度)、**かかわり(相関)**に注目して、 「データをどのように要約できるか」を見てきました。 --- 例:男女で購入額に差があるように見える? たとえば、ある店舗での平均購入額を調べたとしま…

【心理統計入門⑦】質的データの相関 ――順位相関と連関係数をわかりやすく整理する

質的データにおける相関 質的データ(数値ではなく、順位やカテゴリーなどで表されるデータ)にも、 「どの程度関係があるのか」を調べる方法があります。 代表的なのが 順序相関 と 名義相関(=連関係数) の2つです。 --- ① 順序相関(スピアマンの順位…

【心理統計入門⑥】相関とは何か?──因果との違いと握力×算数の意外な関係

はじめに 「相関がある=因果がある」と思い込んでいませんか? 統計学ではこの2つをきちんと分けて考えます。 今回は、心理統計でとても大切な「相関」の基本をやさしく整理します。 --- 1.相関とは 相関とは、二つのデータの間にどのくらい関係があるか…

【臨床心理学入㉔】ヒューマニスティックアプローチ①──実存療法

4.実存療法(Existential Therapy) 実存アプローチは、1940〜50年代のヨーロッパで、精神分析に限界を感じた臨床家たちによって生み出された。 彼らは人間の存在そのものを中心に据えた心理療法を目指した。 ●発展の軌跡 メダルト・ボス:機械的な人間観に…

【臨床心理学入門23】ヒューマニスティックアプローチ①──ゲシュタルト療法

1.発展の軌跡 ゲシュタルト療法は フリッツ・パールズ(Fritz Perls) によって創始されました。 パールズはベルリンで生まれ、医学を学んだのち、戦後アメリカに移住。ニューヨークやカリフォルニアで研究所を設立し、晩年はカナダでコミュニティ作りに取…

【臨床心理学入門㉒】ヒューマニスティックアプローチ①──クライエント中心療法の展開

1.クライエント中心療法の発展 カール・ロジャースは、ニューヨーク州ローチェスター児童相談所で12年間勤務する中で、従来の「診断と指導」を中心とした介入に疑問を抱くようになりました。 その背景には、**「クライエントの自発性や健康に向かう力をどう…