心理学勉強記録

このブログは、心理学を学んでいる私が、日々のテキストを自分なりに解釈しながらアウトプットしていく記録です。 主に自分自身の復習用として作成していますが、心理学に興味のある方、これから学び始める方にとっても、何かしら参考になる部分があれば幸いです。

2025-01-01から1年間の記事一覧

【臨床心理学入門⑭】精神力動アプローチ①──心の構造と発達論的パーソナリティ理論

1.心の構造論 フロイトは1923年に『自我とエス』を発表し、心を「エス」「自我」「超自我」の3つの領域からなる構造として捉えました。 エス(Es):無意識の領域にあり、本能的で欲求充足的な「したい」という衝動の主体。 超自我(Über-Ich):両親や社会…

心理統計入門⑤ ― 平均とSDの活用例

※本記事は、心理学を学ぶ上で欠かせない「統計学」の基礎として、平均と標準偏差(SD)の応用的な使い方を整理した学習記録です。専門用語をなるべく噛み砕き、初学者にも伝わるようにまとめています。 --- ① 変動係数(CV):単位の違いを越えて比べる 変動…

【臨床心理学入門⑬】精神力動アプローチ①──催眠から精神分析へ

1.精神力動アプローチの前史 精神力動アプローチの源流は、18世紀末のヨーロッパにさかのぼります。 1775年、悪魔祓い師ガスナーと医師メスメルが対立し、メスメルが「動物磁気」と呼ばれる神秘的エネルギーによる治療を公開したことが、力動精神医学の始ま…

【臨床心理学入門⑫】精神力動アプローチ①──フロイトと無意識の力学

1.はじめに 精神力動アプローチとは、ジークムント・フロイトによって19世紀末に確立された精神分析と、その後の後継者たちによる修正・発展を含む理論と方法の総称です。 「力動」という言葉は、心の中で相反する気持ちが葛藤したり、それを抑え込む働きや…

心理統計入門④ ― 散布度を深掘りする:「標準偏差」と「四分位範囲」

※本記事は、心理学を学ぶ上で欠かせない「統計学」の基礎として、記述統計の中核である「ばらつき(散布度)」について整理した学習記録です。専門用語をなるべく噛み砕き、初学者にも伝わるようにまとめています。 --- 散布度は「データの安定感」を測るも…

【臨床心理学入門⑪】不安障害・パーソナリティ障害・発達障害──心理的問題の主要カテゴリーを知る

1.不安障害(Anxiety Disorders) 成人の約9%が経験するといわれています。不安の対象によって性質や不適応行動の程度が異なるため、いくつかの診断分類があります。 社会恐怖(社交不安障害) 対人場面で強い恐怖を感じるために著しい苦痛が生じ、社会生…

【臨床心理学入門⑩】異常と正常の境界──統合失調症・気分障害を理解する

1.何が異常で、何が正常か? 心理的問題を理解するうえで、「正常」と「異常」の線引きは簡単ではありません。 主な基準としては、以下の視点があります。 統計的基準:発生頻度が極めてまれかどうか 心理的苦痛:不安やうつなどの主観的な苦痛があるか 社…

臨床心理学入門⑨】パーソナリティ検査とは何か?──質問紙と投影法の活用を学ぶ

1.パーソナリティを測る方法とは? 心理アセスメントにおいて、パーソナリティ(人格)の理解は極めて重要です。 クライエントの行動や思考のパターン、対人傾向、心のクセなどを把握することで、 より的確な支援や介入の方針を立てることができます。 パー…

【臨床心理学入門⑧】面接と知能検査の基礎──アセスメントをどう進めるか?

1.心理アセスメントの最前線 心理アセスメントの最初のステップは、クライエントとの面接です。 この面接において最も重要なのは、以下の2つの姿勢です: ラポール(信頼関係)を築くこと 傾聴的な態度を保ち続けること 心理アセスメント面接では、次のよう…

心理統計入門③ ― 「代表値」と「ばらつき」:記述統計の核心へ

※本記事は、心理学を学ぶ上で欠かせない「統計学」の基礎として、記述統計の中核である「代表値」と「ばらつき(散布度)」について、自分なりに整理した学習記録です。専門用語をなるべく噛み砕き、初学者にも伝わるようにまとめています。 --- 記述統計の…

心理統計入門② ― 「変量」とは何か?記述統計の第一歩

※本記事は、心理学を学ぶ上で避けて通れない「統計学」の基礎として、記述統計の最初の要素「変量(データの種類)」について、自分なりに整理したものです。専門用語をなるべくかみ砕きながら、初学者にも伝わるようにまとめています。 --- 記述統計とは「…

『物語としての心理療法』要約19 ― 第2章:認識としてのナラティヴ──ストーリーの評価とナラティヴの限界

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 ● ナラティヴの評価と心理療法 前回紹介したよう…

『物語としての心理療法』要約18 ― 第2章:認識としてのナラティヴ──ストーリーの構造と心理療法

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 ● ストーリーとは何か 物語行為の心理学的研究に…

心理統計入門① ― 統計学の全体像をざっくりと掴む

※本記事は、心理学を学ぶ上で避けて通れない「統計学」について、個人レッスンで学んだ内容を自分なりに整理したものです。初学者の方にも伝わるよう、できるだけ平易な言葉でまとめていきます。 --- 統計学には3つの柱がある 統計学と聞くと、「数学が苦手…

『物語としての心理療法』要約⑰ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──ナラティヴにおける善悪と行為のガイド

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ● ナラティヴにおける善悪の判断 ナラティヴ…

『物語としての心理療法』要約⑯ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──ストーリーと自己感

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ● ストーリーと自己感 ナラティヴの情緒的側…

『物語としての心理療法』要約⑮ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──感情と物語の関係性

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ストーリーは、人間の感情や情動を理解し、意…

『物語としての心理療法』要約⑭ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──ナラティヴの社会的構成

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ストーリーは、人から人へと語られるものです…

『物語としての心理療法』要約⑬ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──問題解決としてのストーリーの構成

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ストーリーは、経験を表象する手段のひとつで…

福祉心理学入門・全13記事まとめリンク集

本記事は、全13回にわたる連載 「福祉心理学入門」 のまとめページです。現代社会で求められる福祉心理学の視点を、親子支援・虐待・貧困・高齢者ケア・災害支援など幅広いテーマで整理しました。福祉や心理支援に関心のある方、支援者を志す方はぜひ各記事…

『物語としての心理療法』要約⑫ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──時間性と「物語化」の意味

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- 前回の記事では、「ストーリー」と「ナラティ…

教育心理学入門まとめ ── 13のエッセンスで学ぶ“学びの心理”

はじめに:学びのしくみをやさしく、深く このページは、通信制短大での学び直しをきっかけに記録してきた 「教育心理学」の入門シリーズ(全13回)をまとめたものです。 教育心理学とは、「人がどのように学び、成長し、変化していくのか」を科学的に探る学…

『物語としての心理療法』要約⑪ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──「ストーリー」と「ナラティヴ」の違いをめぐって

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- 前回の記事では、ジェローム・ブルーナーの提…

『物語としての心理療法』要約⑩ ― 第2章:認識としてのナラティヴ──“語り”が世界をつくる

※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- 心理学者ジェローム・ブルーナーは、人間が世…

福祉心理学入門⑬ 多職種連携による支援──支援の“知恵”は一人では生まれない

※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。 ■ 1人で支えるには限界がある 現代の福祉課題は複雑化・多様化しています。たとえば、認知症の高齢者がひとり暮らしで孤立し、経済的困窮や虐待の危険に…

福祉心理学入門⑫ 災害と福祉──“心の復興”はどこから始まるのか?

※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。 ■ 災害時に求められる「心の支援」 日本は地震・津波・台風・洪水などの自然災害が多発する国です。災害は人々の生活基盤を破壊するだけでなく、心にも…

福祉心理学入門⑪ 介護と高齢者虐待──ケアの裏にある“見えない苦悩”に光を当てる

※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。 ■ 介護という営みの心理的構造 介護は、身体的・経済的・心理的な負担が集中しやすい行為です。多くの介護者は「家族だから」「自分がやらねば」といっ…

福祉心理学入門⑩ 認知症の理解と支援──“その人らしさ”を支えるケアの視点

※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。 ■ 認知症の定義と現状 認知症とは、「一度獲得された認知機能が持続的に低下し、日常生活に支障をきたす状態」を指します。高齢化の進行とともに患者数…

福祉心理学入門⑨ 高齢者の心身機能の特徴──“老い”と向き合う心理学

※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。 ■ 少子高齢化と長寿社会 現代日本は「人生100年時代」とも言われ、世界でも類を見ないスピードで高齢化が進行しています。65歳以上の高齢者は全人口の約…

福祉心理学入門⑧ 障害と疾病の理解と支援──“違い”に寄り添い、“共に生きる”社会へ

※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。 ■ 障害を“個人の問題”にしない視点 かつて「障害」は個人の欠損や異常と捉えられ、「治す」対象とされてきました。しかし現代の福祉心理学では、**障害…