1.パーソナリティを測る方法とは?
心理アセスメントにおいて、パーソナリティ(人格)の理解は極めて重要です。
クライエントの行動や思考のパターン、対人傾向、心のクセなどを把握することで、
より的確な支援や介入の方針を立てることができます。
パーソナリティ検査は、大きく分けて以下の2種類に分類されます:
質問紙法検査(選択肢式の質問に答えてもらう形式)
投影法検査(模様やイラストなどから自由に答えてもらう形式)
両者はそれぞれに特徴と役割があり、相互補完的に活用されることが多いです。
---
2.質問紙法による代表的な検査
◆ MMPI(ミネソタ多面人格目録)
最も有名で臨床現場でも広く使われているのがMMPIです。
開発者はアメリカのハサウェイとマッキンレーで、現在では約550問から構成される大規模な検査となっています。
MMPIの特徴は、以下のように整理できます:
心理的障害に関連する10の臨床尺度を測定
虚偽申告や防衛反応などを測る妥当性尺度を含む
MMPIは、診断的価値が高く、医療現場でも重宝されています。
---
◆ NEO-PI-R(ビッグファイブ理論に基づく)
もう一つの代表的検査が、NEO-PI-Rです。
コスタらが開発した「ビッグファイブ理論」に基づき、以下の5つの因子を測定します:
神経症傾向(Neuroticism)
外向性(Extraversion)
開放性(Openness)
協調性(Agreeableness)
誠実性(Conscientiousness)
NEO-PI-Rは心理障害の有無よりも、その人の基本的な性格傾向を把握するのに適しており、
遺伝的・神経学的要因との関連性を調べる研究にも多く用いられています。
---
3.投影法による代表的な検査
◆ ロールシャッハ・テスト
スイスのロールシャッハによって開発された、有名な投影法検査です。
被験者に10枚のインク模様を提示し、「何に見えるか」を自由に答えてもらいます。
左右対称のインク模様を使用
回答の「内容・時間・見えた箇所・決定因」などを記録
エクスナー法という標準的な分析手法が広く使われている
自由度の高い回答から、無意識的な心の動きや対人傾向を探ることができます。
---
◆ TAT(絵画統覚検査)
31枚の絵や写真(人物が描かれていることが多い)を見せて、「どんな物語が展開されるか」を語ってもらいます。
動機づけや対人関係の傾向を探るのに適している
面接の補助的手段としても有効
---
◆ 描画法・文章完成法(SCT)など
子どもへのアセスメントでは描画法が広く使われます。
バウムテスト(木の絵)
HTPテスト(家・木・人)
家族描画法
また、**SCT(Sentence Completion Test)**では、不完全な文章を提示し、それを被験者が補完する形式で、思考パターンや価値観の投影を促します。
---
🔚まとめ:性格理解はアセスメントの核心
パーソナリティ検査は、単なる性格診断ではなく、
心のクセ・対人傾向・問題の背景にある力動を読み解く手がかりです。
質問紙法は定量的で客観性が高く
投影法は主観的で豊かな情報を引き出せる
臨床心理士は、これらをクライエントの文脈と照らし合わせながら、
多角的に「その人らしさ」を理解する視点を持つことが求められます。
---
#臨床心理学 #心理アセスメント #パーソナリティ検査 #MMPI #ロールシャッハ #NEOPIR