※本記事は、心理学を学ぶ上で欠かせない「統計学」の基礎として、平均と標準偏差(SD)の応用的な使い方を整理した学習記録です。専門用語をなるべく噛み砕き、初学者にも伝わるようにまとめています。
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① 変動係数(CV):単位の違いを越えて比べる
変動係数(Coefficient of Variation, CV) = SD ÷ 平均 ×100(%)
SDは「ばらつきの絶対量」ですが、平均値の大きさによってその意味合いは変わります。そこで使うのがCVです。CVは「平均に対してばらつきがどのくらいの割合か」を示す指標です。
例)
人:平均170cm、SD=10cm → CV ≈ 5.9%
ラット:平均10cm、SD=1cm → CV = 10%
👉 この場合、ラットの方が「体長に対して相対的にばらつきが大きい」といえます。
単位が異なるデータや、平均の大きさが大きく違う場合でも比較できるのがCVの強みです。
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② 標準化得点(Z得点):平均を0に揃える
Z = (データ − 平均) ÷ SD
Z得点は「あるデータが平均からどれくらい離れているか」を、標準偏差を基準に点数化したものです。
例)平均60点、SD20点のテストで100点を取った人のZ得点は
Z = (100 − 60) ÷ 20 = +2
👉 「平均より2SD高い」という解釈になります。
さらに、教育分野でよく使うのが 偏差値 です。
偏差値 = Z × 10 + 50
Z=+1 → 偏差値60、Z=−1 → 偏差値40、となります。
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③ 平均とSDの変数変換
データを変換したとき、平均とSDがどう変わるかを見ておきましょう。
例)X = 1, 2, 3, 4, 5
Xの平均は3、SD=√2
W=3X → W = 3, 6, 9, 12, 15
平均=9、SD=3√2(3倍になる)
W’=3X+2 → W’ = 5, 8, 11, 14, 17
平均=11(3倍+2)、SD=3√2(変わらず)
👉 掛け算をすると平均もSDも倍率分だけ大きくなるが、足し算をしてもSDは変わらない。
つまり「散らばりの大きさ」は平行移動では変わらない、ということです。
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まとめ
CV:単位や大きさの違うデータ同士を比較するときに有効
Z得点/偏差値:平均を0、SDを基準に揃えて比較する指標
変数変換:掛け算でばらつきは拡大、足し算では変化なし
これらを押さえておくと、相関や回帰分析といった「かかわりの分析」を学ぶときに理解が深まります。
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次回予告
次回は「かかわり(相関)」を取り上げ、2つの変数の関係をどう捉えるかを整理します。
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