1.アセスメント面接
精神分析ではまず「分析可能性」を吟味します。フロイト以来、分析可能性についてはさまざまな議論があり、以下のような要素が重要とされています。
精神病でないこと
不安神経症(現在の不安障害)ではないこと
自分をある程度客観的に見つめられる「観察自我」があること
アセスメント面接では、問題の経緯や家族背景、成育歴などを数回にわたって傾聴し、発達の固着や防衛機制、背後にある精神力動的な構造を推定します。
通常は4〜5回程度行いますが、時間的制約がある場合は1〜2回で済ませ、その後は「治療しながらのアセスメント」となります。
あわせて心理検査を行うことも多く、ロールシャッハテストや文章完成法(SCT)、バウムテスト、S-HTPなどを組み合わせたテストバッテリーが一般的です。
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2.治療契約
アセスメントで明らかになった問題やその背後にある力動、大まかな治療目標をクライエントと共有し、治療を行うかどうかを話し合います。
ここでは時間枠・料金・守秘義務・キャンセル料・治療終結の方法なども含め、近年では書面で契約を交わすのが一般的です。
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3.治療の開始とプロセス
(1)作業同盟
自由連想法や夢分析などは、クライエントのプライベートに深く立ち入る技法です。そのため抵抗や依存を生みやすく、安定した「作業同盟」が欠かせません。
これは「心理的距離を保ちながら信頼関係を築くこと」「転移に流されず分析を進めること」を意味し、病態が重いほど維持が難しくなります。
(2)治療構造
時間・空間・料金の一定性を重視し、治療者は中立性・受け身性を保ちます。クライエントの反応や抵抗を観察するためにも、治療構造は分析素材として重要です。
(3)禁欲原則
セラピストもクライエントも、転移や欲動を行動化せず言葉で表現し、内省を深めます。セラピストは自らの個性を隠し「投影を受けるスクリーン」としての立場を保つ必要があります。
(4)治療の中断と終結
精神力動的治療は長期にわたり、2〜5年かかることもあります。途中で中断となる場合も少なくなく、終結も「症状の完全な解消」だけでなく「症状との適切な付き合い方が身についた段階」で行われることもあります。
🔖 次回は、このプロセスに関連する用語の解説に入ります。
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