●修正感情体験
修正感情体験とは、フランツ・アレキサンダーとトーマス・フレンチによる古典的精神分析からの修正の1つです。クライエントがこれまで積み重ねてきたトラウマ的な対人関係を、セラピストとの間でより健康的な関係へと置き換えることを目的とします。
●間主観性
間主観性(intersubjectivity)とは、クライエントとカウンセラーとの間に成立する、主観同士が影響を及ぼし合う関係のことです。お互いが感じ合いながら、共に関係を築いていく基盤となります。
●投影同一化
投影同一化(projective identification)は、対象関係論学派が重視する原始的防衛機制です。古典的精神分析の「投影」が一者心理学的(クライエントの中だけの防衛)なのに対し、投影同一化は二者心理学的に理解されます。
プロセスを簡単にまとめると:
1. クライエントが無意識の感情(例:怒り)をセラピストに投影する
2. セラピストはその感情に影響を受ける(抱え込む/コンテインする)
3. そのセラピストの反応に対し、クライエントがさらに反応する
このように相互作用が循環するのが特徴です。たとえば、クライエントが無意識の怒りを投影し、セラピストも怒りを感じやすくなり、その様子をクライエント自身がさらに感じ取る──これが投影同一化の典型例です。
●逆転移とその積極的活用
転移はクライエント側からセラピストに向かう感情ですが、逆転移はその逆で、セラピストからクライエントに向かう特別な感情を指します。たとえば「なぜか特別に世話したくなる」「なぜか親身になれない」といった反応がこれにあたります。
古典的精神分析では、逆転移は治療を妨げるものとして厳しく避けるべきとされ、セラピスト自身も教育分析を受けることが求められました。ところが現代の精神力動アプローチでは、逆転移が治療の資源になりうると考えられています。セラピストの内的反応は、クライエントの内的対象関係を理解するうえで重要な手がかりとなるからです。