心理学勉強記録

このブログは、心理学を学んでいる私が、日々のテキストを自分なりに解釈しながらアウトプットしていく記録です。 主に自分自身の復習用として作成していますが、心理学に興味のある方、これから学び始める方にとっても、何かしら参考になる部分があれば幸いです。

心理統計入門⑧ ― 確率を学ぶ意義:「P値」で“確からしさ”を考える

ここまでの話では、

データの大体(代表値)、ばらつき(散布度)、**かかわり(相関)**に注目して、

「データをどのように要約できるか」を見てきました。

 

 

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🍰 例:男女で購入額に差があるように見える?

 

たとえば、ある店舗での平均購入額を調べたとします。

 

 平均購入額  SD(ばらつき)

 

男性 4000円  800円

女性 4500円  1000円

 

 

平均値だけを見ると、

「女性の方がよく買ってくれそうだな」と思えます。

さらにSD(標準偏差)を比べると、

女性の方が1000円とばらつきが大きく、

人によって買う金額にかなり差がある様子も見えてきます。

 

 

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👀 でも、これって“たまたま”かもしれない

 

こうした数値はあくまで「見た印象」でしかありません。

サンプルを別の月に取れば、

たまたま男性客が多い日が続いて数字が逆転するかもしれない。

 

つまり今見えている「差」が本当にあるのか、それとも偶然なのかを判断するには、

仮説を立てて検証する必要があるのです。

 

そのための考え方が――

👉 **確率(probability)**です。

 

 

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🎯 確率を学ぶ意義とは?

 

確率を学ぶ目的は、

 

> 「偶然のゆらぎ」を見積もり、どこまでが“普通に起こり得る範囲”かを判断するためです。

 

つまり、確率を使うことで

「その結果はどのくらい“起こり得る”ものなのか」

を数値で表し、

感覚ではなく、根拠をもとに意思決定できるようになるのです。

 

心理学でもビジネスでも、

この“偶然かもしれない”を数で扱えることが、

客観的アプローチの第一歩になります。

 

 

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🧩 ここで登場するのが「P値」

 

P値とは――

 

> 『もし本当は差がないとしたら、今みたいな結果が出る確率』

 

 

 

のこと。

 

もっとやさしく言えば、

 

> 「この結果は、どのくらい“普通に起こり得る”ことなのか」

を示す目安です。

 

 

 

 

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🔢 P値の見方(イメージ)

 

P値 意味 判断の目安

 

0.4(40%) 4割くらいの確率で起こる。つまりよくあること。 → 偶然の範囲。差があるとは言えない。

0.02(2%) 100回に2回しか起こらない。つまり珍しいこと。 → 偶然では説明しにくい。差があるかもしれない。

 

 

 

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🪙 コイントスで考えてみよう

 

たとえば、公平なコインを10回投げるとします。

 

「表が10回連続で出る」確率は

 

(0.5)^{10} = 0.00098

 

1000回に1回しか起きない“かなり珍しい現象”です。

 

それがもし何度も続いて起きるなら――

「このコイン、もしかして偏ってる?」

と疑いたくなりますよね。

 

> 💬 これがP値の発想です。

本来ならほとんど起こらないことが実際に起きているなら、

「偶然ではない」かもしれない、と考える。

 

 

 

 

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⚠️ よくある誤解

 

> ❌「P=0.02だから、女性が多く買う確率は98%!」

❌「P値が小さい=その結果が正しい」

 

 

 

これは誤りです。

P値は“結果の確からしさ”ではなく、

「偶然でもその結果が出る確率」を表すもの。

つまり、「どのくらい普通に起こり得るか」を測るための確率のものさしなんです。

 

 

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🧠 まとめ:確率を学ぶ意義

 

記述統計(平均・散布・相関)は「データの見方」を教えてくれる。

 

確率は、そのデータが「どのくらい確からしいか」を教えてくれる。

 

P値は、「その結果が偶然に出る確率」を示す。

 

Pが大きい(例:0.4)=よくあること。

 

Pが小さい(例:0.02)=珍しいこと。偶然では説明しにくい。

 

確率を学ぶ目的は、思い込みを減らし、正しい判断を下す力をつけること。

 

 

 

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🔎 確率を理解するための3つのテーマ

 

確率を本当に使いこなすためには、次の3つを押さえておくとよいでしょう。

 

1️⃣ 確率のルール

 確率って何? 事象の考え方・加法と乗法の法則。

 

2️⃣ 確率のモデル

 現実のデータがどんな形をしているか(例:正規分布)。

 

3️⃣ 確率の運用

 実際のデータから母集団を推測する「推測統計」。

 

 

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> 🗨 ひとことでまとめると

ここまでの「平均・ばらつき・相関」は“データを見て整理する”話。

これからの「確率・P値・推測統計」は“データを見て判断する”話です。

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